すべての瞬間を大切にするわ

と、ルイーズは言った。(映画「メッセージ」の一場面から)

2018-01-01から1年間の記事一覧

がん患者、こころの修行

先週6日間、がん患者のための、とある認知療法のプログラムに参加していました。 人生、誰もがものごころついたときから今日に至るまですべての経験を通じそれぞれに物事のとらえかた、考え方、判じ方を自分なりに固めてしまっています。自覚あるなしに関わ…

バーサクモード

もう、過ぎたことなので書けるのです。突如、心が荒ぶり止まらなくなり我慢ができなくなって、旦那さんに暴言を吐いてしまうんです。激しく、くどく、しつこく。「なぜ○○なのか」とか「あのとき○○だった」とか延々と荒れ放題。すごい発狂。バーサク状態。頭…

抗がん剤、再挑戦、1週間

先週の火曜からTS-1を再開しています。前回は50mgであえなく撃沈したので、今回は40mg/1日2回です。飲むと胃から胸元にかけてモヤモヤ〜っとする感じは前回どおり。だけど今回は、必要以上に副作用を怖がらず、抗がん剤さん(気は優しくて力持ちなヒトに擬人…

戦友が旅立った

同じ病を持ち、わたしを戦友と呼んでくださった方。ジャーナリストの恵谷治さんが5月20日、すい臓がんで旅立たれました。 治さんは、長らく親しくしてくださっているわたしの先輩であり大切な友人のご家族。それとはまったく関係なく、北朝鮮に興味を持って…

サイモントン療法のミニセミナー

5月19日土曜日、サイモントン療法のミニセミナーを受講しました。米国で70年代初頭に開発されたがん患者のための心理療法。メンタル面からの「きのこる術」として、がん発覚以来ずっと気になっていました。 というのも、どうしても逃げられない絶望や孤独や…

今のすべては過去のすべて

昨日、金曜は外来診療でした。抗がん剤TS-1の途中休薬からちょうど10日。唇の炎症がおさまったこと、血液検査で好中球やリンパ球の数値がまあまあ良いことから、来週5月23日よりTS-1の服用を再開することになりました。腹痛と下痢については改めて「リンパ節…

終活じゃないよ始活だよ

朝、散歩に出ると足の上がり方で体調の善し悪しがわかるようになりました。月曜は全然足が上がらない。あれれ?ってくらい重たくて、フォームもヨレヨレ。ラジオ体操(略してラジ体)にもキレがなく、途中で休んでしまう。まずいなーコレ。で、無理せず家に…

言葉のハグ

たとえ小さな出来事であっても、忘れたくないこと、大切に書き置いておきたいことは日々あるのです。だけど手の平に載せ、こころを傾けて慈しむことができないでいます。だからここにも書けないでいました。 最近は、昼間ウトウトしてしまうことが多く、どう…

抗がん剤中止(残り10日で)

TS-1服用は18日目。残り10日となりましたが、残念なことに本日、使用中止となりました。 ここ3日ばかり様子が変なので気になり、今朝、外来を受診したのです。唇の粘膜がやられてタラコ唇になっちゃって、そこにアフタのような傷口がたくさん発生しているこ…

背中の痛み、お腹のキモさ

お腹と背中の両脇がかなり痛みます。吐き気がして、気持ち悪くて、背筋を伸ばすと辛いので猫背になっちゃう。常時おえっぇええっぇえええぇぇぇ〜な感じが困る。抗がん剤の副作用かもしれない。TS-1服用開始から2週間、体調の悪さを大幅に更新しました。 今…

葉っぱセラピー

初耳だよ!葉っぱセラピー。いまだにヨガをまったく教えてくれない謎のヨガ先生が、「お金もかからないし、簡単だし、おまじない感覚でやってはどう?」と教えてくださった不思議療法。 葉っぱといっても大麻を吸って癒やされるとかではなくて、そのへんに生…

日々のルーティーンと肌状態

3月22日に退院してからは、毎日を規則正しく過ごすように心がけています。衣食住働のすべてがでたらめだった以前とはまったく違う、ルーティーンな日々です。 5:00 起床/体重・血圧・体温測定 5:45 ウォーキングに出発 6:30 公園でラジオ体操 7:00 帰宅 TV…

まぶだちにカミングアウトした

Mちゃんは10代の頃から仲良しで、人間不信で鬱々とすごしていたわたしの思春期の終わりに、この人生で、最初に親友だと意識した人でした。一緒にあほくさい同人誌をつくったり、パンク系のインディーズでローカルなバンドのライブに行ったり、自転車にのって…

中医「漢方薬はおすすめしない」

本日は、個人の体験・感想・意見です。 お世話になっている鍼灸先生は中医学を修めた方なのですが、意外なことに「あなた漢方薬はやらなくていい、今はやらないほうがいい」とおっしゃる。 「昔は良かった。わたしも使ってた。でも今の漢方薬は原料が駄目に…

しきぶとんさん、かけぶとんさん

今はもう、会う機会がぐんと減ってしまった古き佳き友が、郵便で応援物資を届けてくれました。お腹をやさしく包んでくれるシームレス肌着や、わたしが今こそ食べたいと願っていたつぶし豆などと一緒に、1冊の絵本が入っておりました。 高野文子先生、今はこ…

患者会に行って勇気をもらう

昨日は、「すい臓がんカフェ」という患者さんの集いに行ってみました。患者さん同士の自主運営の会のようです。全国から100人以上の患者さんとご家族がいらっしゃっていました。すい臓がんとなった先輩がたとわたしのような新米患者が、標準以外のさまざまな…

驚愕のえんがちょ物質、抗がん剤

「えんがちょ」は昔、東京に引っ越してきて初めて知った言葉でした。わたしの故郷では「べんしょ」と言っていました。べんしょの語源は、便所なのか糞尿なのか、たぶんそんな感じで。穢れに触れると「べんしょ、べんしょ、鍵きった」と歌いながら指でつくっ…

あこがれの外食だよ

あー外食がしたい。でもできない。 手術から今日までずっと食事には難儀しており、当初よりはずいぶんマシになってはいるけれども、消化の悪いものを食べたり、欲張ってたくさん食べようとすると、いまだに左の鎖骨(神経の誤作動)とお腹がぎゅうーっと痛く…

プラーナのゆがみを見せてもらった。何これ

膵臓がんになってしまったわたしは、心の平穏と未来への希望を渇望しています。恐怖と絶望にただ立ちすくんでいてはいけないのです。わかっちゃいるけど、どうしていいかわからない。がんになった人は誰でも、状況を受け入れて立ち直るまでに時間が必要とい…

しょげていたってしょうがないですね

文章化する=客観視できると思っていました。書いた後は、開けっぴろげに、恥知らずに、無神経に、ポイっとブログにでも置いてしまえば、息苦しさやモヤモヤなんてこころの外側に追い出せると思っていました。 どうやら勘違いでした。逆に、ことあるごとに、…

懺悔の値打ちもないけれど

「懺悔の値打ちもないけれど、私は話してみたかった。」という歌がありました。阿久悠さん作詞。昭和歌謡には時々恐ろしい歌がある。愛なき主人公の苦悩は14歳に始まり、19歳で犯罪者となり、そして最後まで愛はどこにもない。そういう歌です。 わたしはこの…

公園のラジオ体操

夜明けが早くなり、6時前にはすっかり明るい。散歩がてらいつも仕事場に行くときに使っていたバス停の横の公園へ。何年か前、早朝出勤するときにラジオ体操をやっているのを見たことがある。おっ、今日もやっていましたよ。 早起きシニア、犬のお散歩奥様、…

仕事への愛着、責任、感傷、煩悩

少し前。退院した直後のこと。休業の件をあえてお知らせしていなかった得意先からメールが来て、新規案件の依頼をいただきました。黙っていたのは関係が薄いクライアントだからではなく、濃くて親密で重要だからこそ言えなかったのでした。それはわたしが欲…

あなたの部屋の片隅にある壺

がん治療の底上げにヨガはいいんじゃないかと思いまして、近所の個人スタジオに通うつもりが、レッスン初日に軽〜くからだを動かしただけで腹痛におそわれ脂汗を流して悶絶してしまった。まだ手術から1ヶ月。 ヨガ先生、たぶんビビったのだろう。2回目のレッ…

がんサバイバーの猫さん

このひとは、10年以上ずっとわたしたち夫婦と一緒に住んでいる猫さんです。出身は砧公園で、世田谷区で猫ボランティアをしている方から譲り受けました。 若い頃から「時々、肉球がぱんぱんに腫れる」という奇病をもっていて、免疫系にエラーがある個体ではな…

あの人が見つけてくれた

「膵臓の病気はとても見つかりにくいといいます。どうして見つかったのですか?」と、鍼灸院の超美人な若先生がハリを打ちながら聞いてくるので詳細をお話しました。 去年の秋頃から全身あちこち不調だったこと。ここは一度に一気にチェックして楽しようと人…

なにか一つでも、いいことを言ってくれ。

今日は退院後初めての外来でした。手術で取った組織の病理検査の結果が出るかも、という日でした。 実はここ数日、あまりの春爛漫ぶりとわが身の切なさの格差に心の中はうじうじネチネチしていました。しょうがない。人間だもの。などと言い訳しながら、毎日…

1日1万歩を歩き続けること

散歩は生きのこる術のベースロード運動。 この土日の夜の散歩はくっすん(旦那さん)がつきあってくれました。いま仕事が詰まっていて忙しいはずなのに、ありがたいやら心苦しいやら。 たまたま東京都庭園美術館がナイトミュージアムと称して20時まで開園し…

「いつか」とは、いつなのか?

春が来て夏が来て秋が来て冬が来て、また春が来るように この先も、それがずっと続くと思っていました。 そうでもないよ命は有限だよと どうやら頭は知っているらしいけど、 この続いていく感はとりあえず、いつかその日までずっと続くのだろう。 その「いつ…

彼もきのこるよ。身近にいた膵臓がんの人

昨日、Eさんに会いました。 先輩、師匠、友だち、お姉さん・・・どれもあてはまらない存在の人。気づけば長いおつきあい。日頃滅多にお会いしないけれど、人生、映画、音楽、美術、本、旅などなど、いつも遠く長い道の先から、こっちこっちとわたしの感性と…