すべての瞬間を大切にするわ

と、ルイーズは言った。(映画「メッセージ」の一場面から)

なにか一つでも、いいことを言ってくれ。

今日は退院後初めての外来でした。手術で取った組織の病理検査の結果が出るかも、という日でした。

実はここ数日、あまりの春爛漫ぶりとわが身の切なさの格差に心の中はうじうじネチネチしていました。しょうがない。人間だもの。などと言い訳しながら、毎日ぜんぜん面白いことが言えず、自分も人も笑わすことができておらず、こんなんでは免疫下がる。あかん。やめれ。でも無理。つらい。などと自問自答のループにおちいり、根拠なき不安、闇のドキドキ感にずっと息苦しさを感じていました。メンタル弱いなーわたし。覚悟未完了。

病院の待合で診察の順番を待ちながら、今日はドクターなにかひとつでもいいこと言ってくれないかな、言って欲しいなあ、だけど期待すればするほど逆の場合の凹みがなぁ、とまたループ。しょうがない。人間だもの。などと・・・以下略。

そして診察。本日付では病理検査がまだ終わっておらず今日は暫定の結果ですが、ということで、手術で取った膵臓周辺の遠隔リンパ節19個のみの速報を教えてくださいました。

なし。転移なし。リンパ19個全部、がん細胞なし。なしなしなし。

おお、ごらんよ雨が上がる。雲間から光が射す。子犬が駆け寄る。宝くじで1000円当たる。・・・そんな感じの希望がわたしを包み、やっぱりこの世界は美しい!サンよそなたは美しい!イオナわたしは美しい!と軽く調子に乗る。

やったよ、なにかひとついいこと言われたよ。幸せだ。やる気でた。自分が単純でよかった。このあたたかな光を手放してはいけないと思った。

そして今月後半から化学療法を始めましょう。とのこと。それまでにまだずっと止まらない下痢と腹痛、なんとかなって欲しい。

自宅に戻り、「うーむ下痢かぁ・・・よし、ゲーリー・ピーコックでも聞くぞ」と普段聞かないJAZZを聞くほどの明るさと洒落のセンス(ベタだけど)を取り戻した。

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