すべての瞬間を大切にするわ

と、ルイーズは言った。(映画「メッセージ」の一場面から)

がんが消えた人

昨日は3月11日、アブラキサン+ジェムザール、早くも6クール目が始まりました。

血液検査では、好中球Lからのスタートとなりいまいちな数値にしょんぼり。肝機能も相変わらずALT、AST高数値で脂肪肝進行。

新型コロナウィルスの影響なのか病院全体は比較的空いていました。しかし、消化器内科と化学療法室は毎度のように混雑です。主治医F先生によるとこの病院で患者数が一番多い科目で、「僕はこの病院で一番忙しいドクターなのよ」だそうで、なるべく無駄なお話はしないようにしています。が、ちょいと質問してみました。

 

 この前、手術不能だったという膵臓癌の人に会いました。

 それが、抗がん剤の治療で画像上まったく消えちゃったと言ってました。

 先生の患者さんにもそんな人いらっしゃいますか?

 

F先生は嘘を言わない方です。

 

 実は、いま診ている膵がんの患者さんの中に2名いらっしゃるんです。

 画像上まったく消えました。

 一人は現在も抗がん剤を継続しています。

 もう一人はご希望により休薬しています。

 

ええ話や。珍しいけど0じゃないんですねと。抗がん剤だけで消えたのか、他にもこっそり何か代替療法をやったのかはわからないけれど、見知らぬ患者仲間のお2人がこの病院で生き延びている事実。ええ話や。先生、わたしもそこを目指したいです。

 

20席の化学療法室は満席、さらに待合に10名ほど待機。わたしも1時間ほど待たされました。待ち時間中、時計を見たら午後2時46分だったので黙祷しました。涙が少し滲んできました。

 

アブラキサンとジェムザールを開始してから、体毛は段階的に全て抜け落ちていき最後にまつ毛と眉がなくなりました。つけまつげを買ってきて、老眼をしょぼしょぼさせながらアイメイク。仕上がりがなんだかギャルっぽい。眉毛は、スタンプ型のアイブロウを発見。画期的!と興奮し、ぺたんと押してみたら左右の高さがズレてしまい、福笑いのような顔面レイアウト。まあいい。面白いので許す(何を)。

顔面はそんな感じですが、頭の毛がなぜかパヤパヤと新生してきています。頭全体に、いま3ミリくらい。化学療法室のナースさんによると、抗がん剤治療中に発毛する変な人がいるらしい。ごく希らしい。謎らしい。抗がん剤が効かなくなってきたということではないですか?と聞いたら「それはないです!・・・・と思う」だそうで。来週、F先生に質問してみます。

しかし、このまま生えそろったら、また広尾の美容師のS本さんにカットしてもらえるなぁ〜。嬉しいなぁ。目指そう。新生パヤ毛は全部白くて、うれしさ半分、複雑さ半分だけど。昔読んだ「ベルばら」では、投獄されたマリーアントワネット様が一晩で白髪になっていたので、「苦しみで頭が白くなるのは王妃の証だ!」と自分を尊ぶことにする。