すべての瞬間を大切にするわ

と、ルイーズは言った。(映画「メッセージ」の一場面から)

わたくしの世界

病気になってよかったこと

告知から2年、ブログ開始から2年を超えました。 なんだかあっという間だったような気がします。 YouTubeで岡田斗司夫さんの過去のゼミ動画を見ていたら、今のマンガ家の多くは仕事のしすぎ、過労の蓄積で、だいたい60歳くらいで死んじゃうだろうねというお話…

笑いヨガ、イージーヘブン

再発を告知されてから、笑いヨガに参加し始めました。去年、朝のラジオ体操の公園で知り合ったMさんが「いらっしゃいな」と誘ってくださっていたのですが、なかなかその気になれず見送ってきた近所の区民センターでの週1回の集い。笑いヨガは、サイモントン…

がんゲノム検査(自費代表選手)

再発のお知らせから1ヶ月半。淡々と、じゃなくてアワアワと日々が過ぎていきます。抗がん剤は2回やって、白血球が下がりすぎで中断、そしてまた再開。週1回の通院に加え、先端医療の合わせ技で攻めちゃうぞ系のセカンドオピニオンに行ったり、大枚はたいて自…

ようこさんのこと

患者仲間で、いい友だちだった、ようこさんのことを書いて記憶しておきたいです。 ようこさんは膵臓がん患者の集いで出会いました。かわいくて明るくて30代に見えました。ステージ4b、3人の子のママで横浜住まいで、ちょっとトッポイところがあって、港の…

納棺スクールを見学した件

水曜日、梅雨の晴れ間のプチ遠足にまいりました。春から受講していた死を通じて生を学ぶという社会人講座の、教授と受講生の皆さんとご一緒に。行き先は、納棺師スクール。おくりびとの学校です。 親切丁寧にカリキュラムの一端を見せてくださり、また法律か…

歌うスズキさん

去年のこと。古くからの友人であり、浄土真宗の僧侶のスズキさん(女性)に病気の相談をして以来、スズキさんはいつも気にかけてくれるようになりました。 上京されるたび毎度ファミレスで雑談の相手をしてくれるのですが、とりとめのない会話の中に、不意に…

デス・エデュケーション

ずっと病と死を意識するほかない毎日を過ごしてきて、 不安、孤独、絶望の果てに 荒涼殺伐としたこころを持てあまして ウロウロのろのろしていました。 本を読みネットを漁りセミナーに参加し さらに、宗教だスピリチュアルだとなんでもあり。 高速道路や国…

G線上のアリア

G(がん)を生み出す原因に、3G「頑張りすぎ・我慢しすぎ・頑固」というのがあるらしい。わたしたち患者はピーンと細く張り切って、弓をあてればギギーッとメロディを奏でるG線上に立っているんだと思う。(我ながらうまい表現を考えついたよ、美しいなぁ)…

お箸は、生と死の境界線

先週、ある講座を受講しました。その中に出てきた話題のひとつをわたしなりに考察してみました。お箸に見る、日本人の死生観について考えたことメモ。 ●日本ではお箸は横置き。中国は縦置き。 (中国は洗濯ものも縦に干す。矛のように。向こう側を刺す文化)…

幸せの総量を上げる(1年目の心境)

去年の2月22日、検査の結果「やっぱりすい臓癌ですね手術しましょう」と告知されました。それから1年がたちました。手術をして、抗がん剤をして、仕事をやめて、オロオロしながらジタバタしながら、恐怖と孤独のあまり脳みそをぼんやりさせながら、気がつい…

iphone Xs

前回のブログからすいぶん時間がたってしまいました。もちろん生きているし元気ですし。この間、いろんなことがありました。ぜひ書き残しておきたいこともいっぱいです。おいおい、まとめていきたいです。どこかの誰かのお役に立つ記事になるかどうかはわか…

お墓のない国、タイ王国

いろいろあって現在、タイの古都チェンマイに来ています。数時間後にはもうバンコク経由の羽田便の中。 今回はチェンマイから車で3時間ほど山に入った棚田に行き、田んぼの農家民宿に泊まるというのがメインの旅。いつもお世話になっている千葉・鴨川の田ん…

連鎖

先週末の3連休。心と身体によいと思われることを集中的にやってみました。 前日:散歩→業捨(この件は改めて書きたい) 1日目:散歩→鍼灸→リンパマッサージ→神社祭礼(夜祭) 2日目:散歩→深川不動参拝→ランチ→カラオケ→神社祭礼(本祭) 3日目:農作業 まず…

術後の痛みについて<その2>

術後の痛みについて。緩和ケアクリニックで説明を受け、理解し、まずは現状 ベストな対処方法を知ったわたくしは、ひとつ安心を手に入れました。 その翌日いつもの鍼灸院で、若先生にこのことを報告しました。そして、鎮痛剤を長期にわたって使い続ける不安…

ワトソン先生のように

断食してからちょっと弱ってたのか、パソコンの電源を入れるのが億劫で。 だけど少しずつ元気になって、変わらぬ日々を過ごしておるのです。 おととい鍼灸院に行ったら、水曜担当の美人若先生はお休み。院長が臨時担当。 わたしがその日最後の外来だったらし…

青江三奈とパバロッティ

前回のブログに青江三奈さんのことを少しだけ書きました。また聞きたいな、あのMy Way。ということでアルバム「青江三奈スタンダードを歌う」を、通しで聞いてみました。My Wayはもちろん、イエスタディワンスモアなど素晴らしい歌の宝石箱。青江三奈さんの…

京都〜がん封じのお寺など

〇一人暮らしの母 木曜日、京都の実家へ。母の顔を見て、延々と母のおしゃべりを聞いて。実家で一人がんばってる母は、1秒たりとも止むことなく、何度も何度も同じ話を繰り返していました。先週は気温が39度だったけどエアコンで快適な話。生協で何を注文し…

がん生活は、いろんなお茶を嗜む

(2018年12月10日追記在り) お酒、たばこ、コーヒーなどの嗜好品が大好きで、毎日大量に摂取しておりました。今年の1月までは。 がんが発覚して、全部やめたのですが今でも恋しいです。狂おしいです。恋人たちと別れてぽっかり空いたその穴を、今はお茶で埋…

事務所仕舞いヽ(`Д´)ノもう来ねえよ!ウワァァン

抗がん剤との日々、「第1回チキチキTS-1ですい臓がん再発予防大会〜!」は深刻な副作用で途中離脱したけれど、やり直しの「TS-1大会(略)」はなんとか4週間を乗り切り、さらに2週間の休薬期間も今日でおしまいとなりました。明日から第2回のスタートです…

精神論から存在論へ

京都からわざわざ高校時代の同級生が会いに来てくれました。彼女は仏教を学び僧侶になっていて、長年ずっと浄土真宗の大きなお寺にいます。卒業後は会う機会もないままに歳月が過ぎ。それでも2年前に再会を果たし、今またこうして会うことができました。あり…

呼んだ? 桜桃忌

昨日は梅雨の晴れ間。いにしえのまぶだちMちゃんと、がんになってから初めて会いました。「桜桃忌行こうよ」と言われて三鷹の禅林寺。Mちゃんが太宰治ファンだなんて初めて知りました。Mちゃん何度も来てるらしい。お墓のまわりはお酒もタバコもフリーダム。…

歩く

最近のことをまとめておきます。仕事を辞めて4ヶ月。病院を退院して3ヶ月。暇なはずなのにまだまだ落ち着かない毎日です。 ■早起き会 先々週のサイモントン療法合宿プログラムで、同じすい臓がん患者のお姉さまと仲良くなりました。彼女は既に、手術後5年…

戦友が旅立った

同じ病を持ち、わたしを戦友と呼んでくださった方。ジャーナリストの恵谷治さんが5月20日、すい臓がんで旅立たれました。 治さんは、長らく親しくしてくださっているわたしの先輩であり大切な友人のご家族。それとはまったく関係なく、北朝鮮に興味を持って…

今のすべては過去のすべて

昨日、金曜は外来診療でした。抗がん剤TS-1の途中休薬からちょうど10日。唇の炎症がおさまったこと、血液検査で好中球やリンパ球の数値がまあまあ良いことから、来週5月23日よりTS-1の服用を再開することになりました。腹痛と下痢については改めて「リンパ節…

終活じゃないよ始活だよ

朝、散歩に出ると足の上がり方で体調の善し悪しがわかるようになりました。月曜は全然足が上がらない。あれれ?ってくらい重たくて、フォームもヨレヨレ。ラジオ体操(略してラジ体)にもキレがなく、途中で休んでしまう。まずいなーコレ。で、無理せず家に…

言葉のハグ

たとえ小さな出来事であっても、忘れたくないこと、大切に書き置いておきたいことは日々あるのです。だけど手の平に載せ、こころを傾けて慈しむことができないでいます。だからここにも書けないでいました。 最近は、昼間ウトウトしてしまうことが多く、どう…

日々のルーティーンと肌状態

3月22日に退院してからは、毎日を規則正しく過ごすように心がけています。衣食住働のすべてがでたらめだった以前とはまったく違う、ルーティーンな日々です。 5:00 起床/体重・血圧・体温測定 5:45 ウォーキングに出発 6:30 公園でラジオ体操 7:00 帰宅 TV…

まぶだちにカミングアウトした

Mちゃんは10代の頃から仲良しで、人間不信で鬱々とすごしていたわたしの思春期の終わりに、この人生で、最初に親友だと意識した人でした。一緒にあほくさい同人誌をつくったり、パンク系のインディーズでローカルなバンドのライブに行ったり、自転車にのって…

あこがれの外食だよ

あー外食がしたい。でもできない。 手術から今日までずっと食事には難儀しており、当初よりはずいぶんマシになってはいるけれども、消化の悪いものを食べたり、欲張ってたくさん食べようとすると、いまだに左の鎖骨(神経の誤作動)とお腹がぎゅうーっと痛く…

懺悔の値打ちもないけれど

「懺悔の値打ちもないけれど、私は話してみたかった。」という歌がありました。阿久悠さん作詞。昭和歌謡には時々恐ろしい歌がある。愛なき主人公の苦悩は14歳に始まり、19歳で犯罪者となり、そして最後まで愛はどこにもない。そういう歌です。 わたしはこの…