すべての瞬間を大切にするわ

と、ルイーズは言った。(映画「メッセージ」の一場面から)

がんサバイバーの猫さん

このひとは、10年以上ずっとわたしたち夫婦と一緒に住んでいる猫さんです。出身は砧公園で、世田谷区で猫ボランティアをしている方から譲り受けました。

f:id:noumisokayui:20180406120056j:plain 

若い頃から「時々、肉球がぱんぱんに腫れる」という奇病をもっていて、免疫系にエラーがある個体ではないか、為す術はないと獣医さんからいわれてきました。腫れてもしばらくすると勝手に縮小するのが常でした。

ところが去年の秋口、左前足の肉球が今までになく大きく腫れ上がり、どんどん悪化していきました。それでたくさんの動物病院にこんな症例を診たことがありますか?治療実績はありますか?と聞きまわり、「ある」という動物病院へ。しかし抗生剤やステロイドなどいろいろ投薬を試みるも改善せず、さらに何倍にも腫れ上がり、やがて肉がはじけ、歩くのも辛そうな状況となったので、医師と相談のうえ左の肩甲骨から下を切断。クリニックを持たず手術道具だけを持ち、あちこち手術して歩いているという流しの動物外科医が執刀してくださったそうです。傷はきれいで、手術は見事なものだったと思われます。

病理検査によると、肉球全体が大きなガンになっていたということでした。おそらく相当に痛かったはずだと思います。動物はなにも言いませんが。

その後、猫さんは元気を取り戻しました。4足歩行で10年以上生きてきたから、最初は慣れずにすぐに転んでしまうのが悲しかったのですけど。今では3本足で全力疾走、椅子くらいなら軽く飛び乗れ、体重がかかる右腕は太くマッチョになり、毛並みもツヤツヤでとても元気です。

わたしのいちばん身近ながんサバイバー。泣き言も文句も言わず、元気に飯を食ってる、猫師匠です。

 

くっすん(旦那さん)にとっては、愛猫も嫁もがんになってしまった。昨年末には愛車がオカマを掘られ、いまだに修理工場から戻ってこない。いったいなんの因果なのか。彼もまた泣き言や文句を我慢しているのがわかる。申し訳ない。感謝している。必ず恩返しするので、待ってて欲しいです。