すべての瞬間を大切にするわ

と、ルイーズは言った。(映画「メッセージ」の一場面から)

資産、遺産、試算

いままで老後の備えは国民年金だけというフリーランス稼業で生きてきたから、上乗せの安心感のために個人年金タイプの保険に加入しておりました。こつこつ自力で積み立てていく感じで、個人年金の給付開始はいまからちょうど10年後からなのですが、正直、もう死んじゃってるかもしれない。(もちろん生きてはいたいけど)

1年先のことすらわからぬままに、この先もそれなりの掛け金を払い続けるのはナンセンスではないか?と思い、先日、保険やさんに解約の相談に行きました。

「実は、予後があんまし明るくないタイプのがんになっちゃいました。仕事もやめました。この先、高額な自費治療もやりたいと思っています。だから将来の備えよりも、今、現実的にお金を大事にしたいんです。」と伝えました。すると若きファイナンシャルプランナーさん、一瞬の沈黙の後、「ここで解約すると今までの掛け金よりも払い戻し金のほうが少なくなって損します!おすすめしません!」だって。さらに「お客さま!お亡くなりになった後、ご遺族にとって銀行口座のお手続きは面倒なものです。そこで、すぐにお金を遺族にお渡しできる便利な死亡保険があります。そちらへのご加入をおすすめします!」だって。真顔で。ちょっとお待ちくださいねーというので、ちょっと待っていたら、死亡保険の計画書まで出してきた。「これで遺産相続がスムーズになりますよ!」だって。パンフレットの参考例がまた凄かった。遺産の単位が億の事例がいっぱい。まじかよ。どこの資産家だよ。もはやシュールでブラックな英国のコントに出演している気分になってしまいました。笑えないっす。

結局、解約もできず「えっとあの、自宅で考えてきます・・・」と帰ってきました。気弱なわたし。でも考えない。そもそも子どもはいませんし、親族もほとんど絶えている家系ですから、わずかばかりのお金を一体誰に残すというのか。残せるほどのお金があれば、治療と生活に使いたいですね。ファイナンシャルプランナーさんのお仕事って大変だなと思いました。他で、いい契約が取れるといいですな。