すべての瞬間を大切にするわ

と、ルイーズは言った。(映画「メッセージ」の一場面から)

わたくしの傍らに立つ

明日から入院なので、少しだけ掃除をしました。が、やっぱりできませんでした。とほほ。掃除や片付けができない女として55年生きてきた。こんな状況になっても、やっぱり人間そんなに変われるものじゃないです。

ここ数年は駄目人間上等、それがわたしなのよーと開き直って来ましたから、このままいくぜ!いけるとこまで!いやそうじゃないだろー!でもでも!と一人、脳内で綱引きをして無駄な時間を過ごすのがまたわたしらしいな。

 

このように、精神はいつも通りですし、体調に至っては何の自覚症状もなく苦痛も衰えも感じないので、本当におなかの中に今すぐ切除しなくてはいけないほど恐ろしい病気があるのかまったく実感がありません。それが沈黙の臓器。膵臓がん。よく言いますけどまさにその通りです。

 

手術の苦痛、手術後の不調やしんどさなど予習するにつけ、いま現在こんなにも元気っぽいのにあえて心身に甚大なダメージを与えて苦行の長い道に入るのかと思うと、正直ふしぎ。とてもふしぎ。発見が半年遅れたらもう手術できない状況になっていたでしょうと、外科医も言ってくださっているので、今この元気なうちに切除に挑めるのは僥倖というほかない・・・と頭で理解しつつ正直、震えるぞチキンハート。

 

(自覚がないと書きましたが、実は時折、脇腹あたりからシクシクとやってくる鈍い感覚があります。気にするからそう感じてしまうエアな痛みかもしれないし、病変があるから実際に鈍い信号を発しているのかもしれないな。わからない。すこしふしぎ。)

 

というわけで徒然に気持ちを垂れ流して書いてみた。こうしてこころを外に出し、眺めることで、またさらに覚悟の基礎固めができるのではないかと気づきました。やっぱりブログは続けようと思います。

先週お会いしたNさん(食道がんから半年)がメールをくださり、あなたは文章を書く仕事してきたのだから、せっかくだし書いてみようよ?とアドバイスをくださいました。がん患者、当事者のリアルを書いてみればと。ありがとうございます。そうします。これを書いている現在、まだこのブログは公開していませんが、時期を見てリリースしたいと思います。

 

わたしのかたわらに立ち、わたしを見る。美しく見る。 八木重吉

 

好きな詩のひとつです。今日は入院を前に、わたくしの傍らに立ち、掃除ができないわたしを見つめてみました。ああ・・・・