すべての瞬間を大切にするわ

と、ルイーズは言った。(映画「メッセージ」の一場面から)

幸せの総量を上げる(1年目の心境)

去年の2月22日、検査の結果「やっぱりすい臓癌ですね手術しましょう」と告知されました。それから1年がたちました。手術をして、抗がん剤をして、仕事をやめて、オロオロしながらジタバタしながら、恐怖と孤独のあまり脳みそをぼんやりさせながら、気がついたら1年です。

 

仕事っぷりも人柄も大好きだった仕事関係のがんサバイバーの方々から、「病気になっても病人になってはいけないんだよ」「誰かを育てるの。そして自分を育てるのよ」「治るも治らないも結局は運。それが命。つまりがんは運命でどうしようもない。だから自分の好きに生きればいいの」などなど、大切な言葉をいただきました。それを忘れることなく1年目。

 

半年ほど前、家庭倫理の会の偉い人に無料で相談できるという機会をいただき、不安でいっぱいの気持ちを語ってみたら「で、アナタどうしたいの?」と問われ。「・・・死にたくないです」と答えたら、「なんで死にたくないの?」「なんで生きたいの?」と返されて絶句。生きたい理由を答えられない自分を知り、この問いを忘れることなく自問自答し続けて1年目。

 

最近、「人は(わたしは)なんで生きているのか。そう、幸福を体験し実感するために生きてるんだね!」という、自分なりの答えをヒネリ出して、ようやく納得して、ちょっと落ち着いてきた気がします。

 

先のことはわからないのです。すい臓がんの生存率の低さとか、もし再発したら2年くらいかなぁ〜?と言う主治医の言葉とかが、いつもチキンでちっぽけなわたしの心を乱しにくるけれど、ガクガクブルブルしながらの2年(仮)と、脳みそホカホカの幸せを感じながらの2年(仮)だったら、同じ2年でも後者が断然お得じゃないか。たとえ残り時間が10年だろうが20年だろうが、ガクブルばかりで生きる歳月はしんどい。

 

人の幸せって何だろう?子どもの頃からよく考えてきました。自分の子どもの頃ってあんまり幸せじゃなかったなーと思っていた暗めの青春。なんかいろいろ悔しかったらしく、「幸福感なんてただの脳内物質の反応だっ。幸せを感じる脳汁が絶え間なく出るように、脳にプラグを差し込んで電流を流し続けたまま一生寝ていたら、それってきっと幸せな人生やで!」などとひねくれたことを本気で考えていました。ああ中二病。今思うと、小松左京の「果てしなき流れの果てに」と、ティプトリーの「接続された女」っていうSF小説の影響。あほや。笑。

大人になってからは、ひとりの人間の一生分の幸せの総量はみんな同じ、誰でも同じという人類皆平等で平和なコリクツを発案し、一人納得してきました。たとえば赤ちゃんが生まれたときの幸せはどんな大金持ちでも貧乏人でも同じようにうれしくて感動する。大富豪と世界の珍味、貧乏人と吉牛も、「美味い!」の感動はそんなに変わらないと思うんです。

たとえ残り時間が短いとしても、いまこのわたしの存在のまま(ダメ人間であろうとも)に幸せの総量と密度を上げていけば、我が人生に悔いなしではないのか?なんて最近思うようになりました。じゃなくて、無理矢理でもそう思うように自分を調教しました。そう思わないと、怖くて悲しくて耐えられないから。

このように人生と幸せを考える中で、気持ちよく答え合わせができた映画が、「コンタクト」と「メッセージ」。この2本。たぶん、わたしにとって間違いない。いまだにSFから影響を受けてる。やっぱりあほや。笑。

 

そんなこんなで、「すい臓がんから、ゼッタイ生きのこるぜ!」という強い意志(もちろん今もそれはあるけど)を全面に押し出して自分を鼓舞するのは、もうやめようと思う1年目です。

ブログのタイトルも、もう必死感は不要ですよと自分をなだめたいので、変更することにしました。もともとここはつづりかたを忘れないための練習場だし、自分のこころの吐き溜め的なものだし、そもそも闘病ブログではないし(闘う気は最初からない)。「がん」とタイトルに入ってるのもアレなのでもう変えちゃえ。

新タイトルは映画「メッセージ」の主人公の台詞をもらいました。大好きな台詞。座右の銘。掛け軸にして床の間に飾っているよ(こころの中の四畳半)。テッド・チャンの原作小説「あなたの人生の物語」は、私の人生の宝物のような本。

 

しばらくブログを書かないでいたけれど、この数ヶ月いろんな出来事があり、楽しいことうれしいこと面白いこと、とても悲しいことや怖いこともたくさんありました。脳みそを芋のようにホカホカとふかしながらも、ガクブルは消えない。そんな日々をこれからも書けるといいな。どんな思いも出来ごとも、書かないとどんどん砂のようにこぼれていくし。

そんな1年目。ヨシ、今日はこのへんでかんべんしといたる>自分

 

 

新しい年

明けて2019年、元気なわたしでございます。

年末から漢方薬マイクロ波なども始めました。

「これはどう考えても100%ナシやろ?」「かえって心身に悪そうじゃ!」

ということ以外、とりあえずはなんでもやっちゃう系で

今年もあれこれ楽しくトライしてみますよ。

 

おもえば昨日は母方祖父の命日。もう20年以上前ですが、

祖父はお正月の終わりにお餅をのどに詰めて天に召されました。

高齢だったこともあり家族親族みんなで明るく見送りました。

大好物だった餅で死ねるなんて幸せ者だ。

ギャグみたいな亡くなり方で気が利いている。

お正月はニコニコのんびり過ごせてよかった。

寝たきりにもならず、家族に迷惑をかけず、見事な旅立ちである。

などなど絶賛されたおじいちゃん・・・・

わがままに気ままに生きての大往生でありました。

 

おじいちゃんの家業は代々西陣織りだったし、

家族も親族もみんな西陣織り職人だったのに、

おじいちゃんだけ「わしは織るのは嫌じゃー!」とわがまま言って

若い頃は清水焼の絵付け職人をしていたらしい。

いまも、実家にはおじいちゃんが絵付けした湯飲み茶碗が

数客だけ残っていて草の絵が描いてある。

それが全然上手じゃなくて、へなちょこの絵付けなのが微笑ましい。

 

織物だって焼き物だって、忍耐と根性の職人ワールドには違いない。

そういうコツコツ地味な作業と、頑固で閉鎖的な雰囲気が嫌で、

わたしも、従兄弟たちも、親戚の誰一人として西陣織りを継ぎませんでした。

かくして父方、母方、昔は双方とも織物職人だらけであった親族は

時とともに廃業し、今はもう一人として職人はいなくなりました。

子どもの頃、町中のあちこちから聞こえた機織りの音も

もうずいぶん前に途絶えたことだなあ。

 

金糸銀糸で織りなされる、絢爛豪華な西陣帯を見て育った。

「工賃は1万円、そやけど呉服屋さんでは100万円の帯やで」

「演歌歌手が紅白歌合戦で締める帯やで。40代やのに振り袖を着やはるんやで」

と自慢げだった父(彼も職人)ももうおらず。

思い出すままに、年の初めに昔のことを書いてみました。

過去の話はこれくらいにしとく。

 

わたしは常に、いまここから。

すべての瞬間を大切にしようと思う、その思いを忘れないようにしよう。

それが今年の目標です。

 

 

 

患者3人、漫才トリオ

メリークリスマス。

 昨日は、「すい臓がん患者と家族の集い」に参加させていただきました。自分の病状とさまざまな治療法に向き合う方々の生の声は、本やネットで読むものとは違い、体温とリアリティに満ちていて、いつもさまざまな可能性の光を感じることができます。お元気にサバイブする先輩方の背中も頼もしいです。かっこいいです。ありがたや。また、会場の皆さんは患者とは思えないほど明るくてニコニコで、改めて「集いに集うぞー!」という行動と意思が大事なんだなと思わされます。ただ恐れ嘆いていても何も変わらんよねと、自分に言い聞かせる機会でもあり。スタッフのみなさま、集いで出会い、日常からLINEで仲良くしていただいている方々。感謝しています。

二次会がありました。20人くらいのその席で、LINEのおしゃべり仲間ですい臓がん患者としては若手(!?)のYさんとTさん、わたしの3人で漫才をやりました。今年2月、すい臓がん告知されてから10ヶ月。思えば、自分も誰かも笑わしてこなかったので、自分が笑いたかったし、誰かに笑って欲しかった。わたしを笑って欲しかった。

前日の夜にがーっと台本を書いて、リハなしで、勢いで、台本棒読みで、恥知らずに、ぐだぐだに漫才。聞いてくださった方々、ごめんねありがとう。TさんとYさんがめっちゃ愉快でいい人で幸せ。よかったねわたし。集いに来なかった誰かや、二次会に来なかった誰かや、同じ病でへこんでる誰かにも笑って欲しいわー。つーわけで、漫才の台本をここに置いておきます。

  

2018/12/23二次会トリオ漫才

  

♪出囃子

 Tくん   みなさんこんにちわー

あきこ   こんにちわー

Yちゃん  こんにちわー

 

あきこ   あきこでーす!

Yちゃん  Y子でーす!

Tくん   Tくんでーす!

 

あきこ   患者3人そろって・・・

3人    キャンディーズでーす!!

Tくん        ・・・・なんでやねん!

あきこ        キャンサーとキャンディーをかけてるんですよ

Tくん   そうですね。おもしろくなくても笑ってくださいね

               免疫上がりますから!

Yちゃん  台本棒読みですけどね      免疫あがりますから

あきこ   ハイそこ!笑って!  免疫あがりますから

 

あきこ   ではいきますよ。じゃじゃーん!抗がん剤でー

Tくん   早口ことばー!

      いま自分がやっているのを3回言ってください

      では、僕から。

      ゲムシタビン・ナブパクリタキセル

      ゲムシタビン・ナブパクリタキセル

      ゲムシタビン・ナブパクリタキセル

      舌噛んじゃうねー!

Yちゃん     次、わたし。

      フォルフィリノックスのイリノテカン抜き!

      フォルフィリノックスのイリノテカン抜き!

      フォルフィリノックスのイリノテカン抜き!

あきこ        ・・・なんかすごいね

Tくん   イリノテカン抜きですかぁ

Yちゃん    ラーメンの麵抜きみたいな! あきこさんは?

あきこ        S-1、S-1、S-1

Yちゃん   短っ!

 

あきこ  すいません。そしたらYちゃん、S-1って10回言ってみて?

Yちゃん  エスワンエスワン・・・(指を折りながら×10)

あきこ  はい、じゃここは?(Tくんの腕をとり、肘を指さしながら)

Yちゃん  ピザ!

Tくん       なんでだよー。もうピザ食べたくなったよ!マルゲリータ

 

Yちゃん  そういえばこの前、うちの息子がヘアーサロンでね・・・

あきこ  はいはい

Yちゃん   隣のお客さんが、比較的禿げているおじさんでね・・・

Tくん        比較的に、禿げてるんですか?

Yちゃん  そう比較的に。それで美容師さんが

      「今日はどうないさいますか?」って聞いたら、

      なんとその禿げ、「ボブで!」

あきこ        ええーっ。ボブ?

      男性の方、わかりますか?ボブって、おかっぱですよ。

      でもその人、ないやん!髪の毛!

Tくん        さてはそういう自虐ネタで美容師さんを笑わそうと・・・

Yちゃん  いや、それが真顔なんだって!大まじめにボブって。

      美容師さんも真顔で「かしこまりました」って!

あきこ・Tくん      ええー!!!???

Yちゃん       もうほんとドキドキするよね。どうすんのよコレって!

      変な汗出るよね。でもそれ、よく聞いてみると

      ボブじゃなくて「五部」だったの。

あきこ   あー五部刈り。ボブと五部の聞き間違え。

Tくん   あーよかった、空耳で。

Yちゃん       あーよかった。ホント。見てみたいけどね、禿げのボブ。

あきこ        聞き間違えもあるけど、言い間違いってのもありますね。

Tくん   うん、あるある。

Yちゃん  うちの息子、子どもの頃「まぶしい」って言えなかったの。

      光を見て「まぶしい」って言うところを言い間違えて・・・

      貧しい、っていうの。

Tくん        まぶしいとまずしい、一文字違いだね

Yちゃん  うん。夏の日にね、太陽が凄い輝いてキラキラしていたのね。

      息子が上を見上げながら目を細めてポツリと言うの

      「・・・・母ちゃん、貧しいよ」(爆笑)

Tくん   ほんと言葉って一文字違うだけで、

      意味も印象も大きく変わりますね。

あきこ   変わりますね。

      この前、ネットでひらったネタですけど・・・

Yちゃん  え、なになに?

あきこ   がんを、一文字変えて「ぽん」と呼ぶ。

      それだけで、全然オッケーになるんですよ!

Tくん   なんですかそれ?

Yちゃん  やってみましょうか!

 

あきこ   わたしたちがん患者。じゃなくて「ぽん患者!」

Tくん   ぼくたちすい臓がん、じゃなくて「すい臓ぽん」

Yちゃん  なにこれ笑える!

      胃ぽん、大腸ぽん、乳ぽん、前立腺ぽん・・・・

あきこ   ええやんええやん!(笑)全然怖くないし

Tくん   抗がん剤、じゃなくて「抗ぽん剤」

あきこ   なんかおいしそう

Yちゃん  有明の〜、国立ぽん研究センター!

あきこ   何を研究しとるねん

Yちゃん  友だちのお見舞いに行ったよ、ぽん病棟!

Tくん   毎年受けよう、ぽん健診!

あきこ   そうそう、私もねえ

      ぽん健診ですい臓ぽんが見つかって、ぽん細胞ありますって。

      えーショック、まさかぽんになるなんて。

      それでぽん外来でぽんの専門医に

      ぽんの切除手術してもらったんだけど

      あーこの先ぽん治療どうしようーって泣きそうなときにね、

      出会ったんですよ!

Yちゃん        わたしもです。

Tくん   ぼくもです。出会えてよかった!

      ・・・いちにのさん、はい、

3人         「すい臓ぽん患者と家族の集い」

 

3人   ありがとうございました。

 

 

 

前半のネタはYさんのアイデアと実話から。楽しいねぇ。

Yさん:ステージⅣbだって明るくてやさしくてオモロイ女子(はぁと)

Tさん:自分の人生観に従い、QOL重視であえて手術しなかった愛と信念の漢。

わたし:不謹慎ですいません

 

楽しかった。2018年クリスマスの思い出ありがとう。

CT結果、手術から9ヶ月

11月末、術後2回目となるCT検査をおこない、震えるぞチキンハート、いのち尽きるまでヒート、刻むぜ寿命のビート、、、な感じの1週間を過ごし、12月7日に結果をうかがいに外来診療。

血液検査は毎月おこなっていましたが、わたしはルイス陰性という血液タイプらしく、腫瘍マーカーがまったく反応しませんので、がんのご様子伺いは年4回のCTに頼るしかない。結果、再発・転移の兆候はないとのことで、全身脱力、まずは佳し。これで佳し。

ただここ2ヶ月ほど、血液検査での肝臓の数値がかなり悪く、ALTとASTは今回高値を更新。脂肪肝か肝硬変かという数字。同じく前回高値だったALPとLDHは正常圏内に復帰しましたので佳しとする。

主治医の解説。過去の数値を見ていると「抗がん剤の影響ではなさそうに思う。栄養状態かも。何かが足りないか、何かが過剰なのかわからない。要はバランス」。心当たりはある。10月頃からフルーツを結構な頻度で食べるようになりました。発病以前から甘いものを食べる習慣はなかったのに、10月頃からリンゴやみかん、バナナ、ベリーなど「がんにいいらしいぜ!」を口実に、でも実際はお酒やたばこのない人生の穴埋めに、そして甘い果実がくれるひとときの安らぎと癒しに、文字通り甘えてしまっていたのです。今後ちょっと果物を控えて、様子を見ようと思います。元気になってまた会おうねぇ、フルーツたち。

 

今は自分も心配だけど、長年つれそってきた愛する猫さんのことが心配です。水もごはんも拒絶し、ニャーとも言わず、少し動くたびに息を荒げ、ただうずくまったまま1週間以上になります。もう首を上げるのもしんどそうで、あごを床に置いたままぼんやり中空を見ています。もともと野良出身のせいか常に食い意地がはっていたのに、大好物も食べなくなってしまった。時折、口元に運んだペースト状のえさを少し舐めてくれる。時折、シリンジで口の中に水を10cc入れる。お気に入りの場所で安心して、苦しむことなく、穏やかに過ごして欲しい。いまはそれだけ。いまも顔はめちゃかわいい。

 

 

 

 

アルカイックスマイル

月曜日、渋谷に行きました。いままで自分にとっては遠い価値観・世界観だと思っていたスピリチュアルの世界。でも今は違います。このたびは縁あって、渋谷でとある能力者の方の個人セッションを受けました。内容はこころに秘めておきます。今日はそのお話ではありません。

 

さて。こういう魂的なことをやると、なにか、違う世界の扉が一瞬ひらくように思えます。以前、サイモントン療法の帰り道で、お祭りのお神輿に出会ったり、ポケモンジムにホウオウが降臨したように、不思議な廻り合わせがあります。その時あなたはタオに繋がった、と言ってくださった方がいましたが、どうやら今回渋谷でも。

 

それはセッションの後、桜ヶ丘から渋谷駅に向かう歩道橋。向こうから黄金に輝く男性の姿。「あっ、うんちマンさんだ!!」わたしにはすぐにわかりました。うんちマンさんとは、1時間1000円で誰とでも会い、お手伝いやお話し相手をしてくださるという、ヒューマニズムあふれるサービス“おっさんレンタル”に所属している方で、以前からこのサービスに興味津々だったわたしは、サイトのレンタルリストに載っているおっさんたちを1人1人チェックしていました。かといっておっさんをレンタルする勇気はなく、ただ見ていただけでした。その中でも,最もインパクトのあるおっさんが「うんちマン」さんでした。文字通り、金色のうんちのかぶり物をしたプロフィール写真に釘付けになったことでした。

そんなうんちマンさんが!あこがれのうんちマンさんが!プロフィール写真よりも少しぽっちゃりと艶めくお姿で、黄金色のオーラを振りまきながら歩道橋から降りてくる。まるで電飾階段を降りてくる宝田明のよう(←わかる人にはわかる)。黄色い全身タイツ、黄色いマント、頭上には金色のまきぐそ。美しい!わたしは嬉しくてたまらなくなり失礼にも凝視してしまったのですが、うんちマンさんは視線に気づくと、とろけそうな笑顔を返してくださり、颯爽と去って行かれたのでした。そのあたたかくて優しいスマイルにもう胸いっぱい、思わず後ろ姿に手を合わせて拝んでしまいました。素晴らしい一瞬の出会い。余韻の中で、4日後のブログに書かずにはおられないほどに嬉しかったのです。

 

そして、この方とはどこかで会ったことがある気がしました。すぐに思い出しました。そう。先日、タイのチェンマイの寺院で見た仏像。全身が金色に輝く盧舎那仏です。ふっくらと艶めく頬、笑った細い目が静かでやさしくてアルカイック。即座に思いました。うんちマンさんは、うんちマン観音だと。ありがたやありがたや。

思い起こせば、サイモントン帰りに舞い降りたホウオウも、黄金のウンコを屋上に乗せたアサヒビール吾妻橋ビルを背景に、悠然と羽ばたいていたではないですか!もはや偶然ではない。

 

東の街に西日射し

汝の魂が宇宙とつながるとき、

頭上に黄金のウンコを頂きし

祝福の神が降臨するであろう

 

実は、実家の仏壇の引き出しにあった古文書に、そんなことが書いてあった。というのはいま考えた嘘ですけど。でもうんちマンさんの笑顔が神々しかったのはホントです。嬉しかった。神さまは決してわたしを見捨てない、と思った。

 

 

※2018年11月現在、うんちマンさんは、おっさんレンタルのリストから削除されています。もうレンタルできないようです。

 

腹壁瘢痕ヘルニア「必ず」

かねてより心配のネタ(←ネタ?)だったへそヘルニアは、「腹壁瘢痕ヘルニア」というもので、手術後によくある後遺症であると診断されました。

 

以下、ネットで拾った説明文。聖路加病院のサイトから。

ーーーーーー

ヘルニアとは臓器などが本来あるべき位置から脱出または突出した状態を意味します。おなかの手術のキズあと(瘢痕:はんこん)は傷がない部分と比べると弱く、この部分から内臓が皮膚の下に脱出する病気です。おなかの表面がふくらんで見えることがおおく、ちからを入れるとふくらみが大きくなります。日本では年間に1万人弱のかたが手術を受けています。

がんなどの手術でおなかを切った傷口(手術創)は、手術の終わりにしっかりと縫い合わせます。しかしながら肥満、喫煙、緊急手術、手術後に傷が膿んだ、傷の治りに影響するほど栄養状態がよくない、もともと持っている病気や服用している薬の影響など何らかの理由で傷がうまく治らない場合があります。うまく治らない、つまりおなかの筋肉のまわりについている筋膜・腱膜部分が離れてしまうと、すきまがあき、そのあなからおなかの中の内臓が皮膚の下に脱出するヘルニアが発生します。およそ開腹手術の11~20%に発生するといわれています。

ーーーーー

 

あーそうですか・・・・

 

最初は、わたしのお腹の出っぱりを見て心配した鍼灸師さん。そのご紹介で受診した胃腸科クリニックでは、「これねー、ほっといても治らない。だんだん出てくる。手術の傷口のサイズまで内臓が出てくる。必ず出てくるよ」と言われました。「ええー必ずですかっ?」「必ずです!」

 

あーそうですかー。

 

必ず!って、そんな強調しなくても・・・T_T

わたしの傷口はタテに20㎝ある。腸が20㎝でてくるのか・・・orz

 

その後、主治医に相談したら軽〜く言われました。「手術でおさまりますので、そのうちやりましょう」「いつですか?」「そのうちです」「そのうちとは」「抗がん剤をやっている間はできません」「・・・・」。

手術は簡単で、お腹にメッシュ状の当て布のようなものを埋め込んで押さえ込むらしい。長く放置して内臓のはみ出しが大きくなると、メッシュのサイズも大きくなる。主治医は両手の指先で、空中に男性用のハンカチくらいの四角を描きました。「あなたの場合は、放置するとこれくらいのメッシュ。早いほうが小さいメッシュで済むし手術も簡単」とのこと。女性用のミニハンカチサイズ。うん、わかった。そのうちね。

 

しかしまぁ次から次へ。いろいろありますなぁ、この病気。がんの開腹手術前、後遺症でヘルニア出るかもよっていう説明はなかった。内臓痛が残るかもよってお話もなかった。なかったということはこれらの症状が非常にレアなケースだからではなく、あえて言及することもないほど通常におきることだからと理解しました。この病気は、手術や治療をする中でいろんな不具合が多々発生し、いまのわたしの症状はその中のひとつ、ふたつのしょうもない、よくある、微々たる現象にすぎない、ということなのかもしれないですね。

「必ずやて!腸が20㎝やて!うわーい!」などと恐れおののく毎度チキンハートな私に、くっすんはさらっと「虫歯を治療するような感じで、さくっとメッシュ入れちゃえばいい。心配ないよ」と言った。あ、はい。そ、そうですね・・・。

 

もはや何の問題もない、何の不安もなかったあの頃には戻れないのですね。虫歯を1本ずつ抜いていく感じで、これからも軽く治療をしていくしかないですね。もう、総入れ歯になってもいいや。生きていればそれだけで幸せ。

 

 

【振り返り】

腹壁瘢痕ヘルニア。なんでこうなったかというと、私の場合は術後に身体を鍛えようとスクワットや四股踏み、腹筋などをがんばったせいかもしれない。術後間もない方は、腹圧がかからないような運動を選んだほうがいいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

iphone Xs

前回のブログからすいぶん時間がたってしまいました。もちろん生きているし元気ですし。この間、いろんなことがありました。ぜひ書き残しておきたいこともいっぱいです。おいおい、まとめていきたいです。どこかの誰かのお役に立つ記事になるかどうかはわかりませんが、この世は多層的で、いろんな価値観、生きるすべの在り方(きのこる術)があると、改めて痛感するできごともあったので、来週はそこをまとめて書く予定です。

 

今朝、お散歩中にスマホを落下させてしまいました。タッチパネルが外れて、タッチそのものが不可能。ぱかぱかのバカバカになったパネルの上で、幽霊がでたらめなパスワードを打ちまくる様子(これをゴーストタッチと呼ぶことを、今日知った)をぼんやり眺めて、ソフトバンクの新たな2年縛りの始まりに思いをはせる。どうやってもデータ復旧できず。 バックアップもとれず。泣。

 

午後、新型iphoneに機種交換。その後、アプリの設定やらなんやら手作業。1日が暮れた。だけど前向きに考える。もう、スマホと一緒に新しいわたしになっちゃえばいいのよ。簡単よ。いいきっかけ。だから、ええいままよと48ヶ月プランにした。ここはなんとしてもがんから生き残って完走して、4年後iphone Zとかiphone Infinity的な、凄い機種に変更するとしよう。きっとその機種はもう四角くないだろう。めがね型ウェアラブルどころか、脳みそ直結の埋め込み電話になっている。ああ楽しみ。これでわたしもサイボーグになれる。かっこええ。その頃にはきっと、いい治療方法もできて普及しているといい。

そう思って手にするiphone Xsは、いままでのiphone7よりもちょっと大きくて重くてイカツくて、持ってると強くなれそうな気がしました。かわいくはなれないけど。

接客してくれたソフトバンクの店員さんが、楽しくて親切でいい人だった。いつのまにか料金プランの説明と店員さんがハマっているというスピリチュアルなお話がサービスカウンターで同時進行するという、味わい深い展開に。デモ機でXの顔認証機能を説明した後、新大久保の預言カフェを検索するなど。きっと少しだけ未来の一般人(たとえば若い店員さんとおばちゃん)は、部分的にサイボーグ化しながらこんなトークを日常的に交わすようになるのでしょう。量子力学とスピリチュアルの親和性をみても、この先きっとそういう時代になっていくのかなと思った2018年冬の始まり。